サイト「Related Worlds」に関するつぶやき。
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『弟と剣(つるぎ)』
春野の作業机。
Wordで本文を書いている作品はフーラスくらいなものです。
手元に本は必ず置いておかないと落ち着かないのですが、ポメラはPC使う際にいつもあるわけでもないです。
ポメラ(手前のオレンジ)は友人から譲り受けた大切なたからものですが、フーラスにはあまり使うことはないかなあ。フーラス以外の作品データ(作業中)ならわりと入っています。
そしてこのポメラをデコりたいと思うきょうこのごろ。
twitterで、フーラス12-11の番外編小話を載せたので、こちらにもたたみで転載しておきます。
本編ではボツにしたシーンを、視点を副隊長に合わせて再編集したものです。
こつんこつん、と小さな音が聞こえて、ブレットははっと扉に目を向ける。今さっき妻がシルマ王女を連れて出ていったばかりだというのに、一体誰がきたというのか。サイモン先生の顔を見て、早く開けろ、とあごで指示されたので、彼は少し警戒しながらゆっくり扉を開いた。
そこに立っていたのは、息をはずませた少年だった。
「ブレット」
少年は扉が開くことを初めからわかっていたのか、驚くことなく名前を呼ぶ。ブレットが目をみはると、唐突に焦ったように、彼の胸に何かをつきつけた。
「これを、あのひとにわたして。僕は行けないからいいんだ。シルマに、わたして」
「ブレット」
少年は扉が開くことを初めからわかっていたのか、驚くことなく名前を呼ぶ。ブレットが目をみはると、唐突に焦ったように、彼の胸に何かをつきつけた。
「これを、あのひとにわたして。僕は行けないからいいんだ。シルマに、わたして」
「ウィルバー?」
ベルナール先生が近寄って訊ねる。「いったいどうしたんだ」
ベルナール先生が近寄って訊ねる。「いったいどうしたんだ」
「全部聞いていたんですね」
ブレットは続けて確認するように言った。防音の魔法をかけていたはずだが、それ以上に強い魔法を使ったにちがいない。そんな彼に少年はこくりと頷く。
ブレットは続けて確認するように言った。防音の魔法をかけていたはずだが、それ以上に強い魔法を使ったにちがいない。そんな彼に少年はこくりと頷く。
「ごめんなさい。でも、だれにも言わないって約束するから。だから、お願いだよ、ブレット」
とたん、泣きだしてしまった少年をひとまず部屋に入れて、途方に暮れたブレットの代わりに、今度はベルナール先生が腰をかがめる。
「それはとても大事なものだって、わかっているのかい? 本当は、人にあげたらいけないものだ。もちろん、貸すことも同じ」
しゃくりあげながら、少年はこくこくと何度も頷く。
「いいよ、あとで、ぼく、怒られるから」
「いいよ、あとで、ぼく、怒られるから」
少年のそのようすに、ブレットもベルナール先生も、さらには子どもが苦手なサイモン先生ですらなにひとつと嫌な顔をせずに息をついた。
この少年が、兄を嫌っているなんてどうして言えるだろうか。彼は、つきつけられた小さな剣(つるぎ)を大事に受け取る。
なあ、アレック、わからないか。ウィルバーは他の誰よりも兄貴が大好きなんだ。こんなに心配してるのに、嫌ってるはずがないじゃないか。
なあ、アレック、わからないか。ウィルバーは他の誰よりも兄貴が大好きなんだ。こんなに心配してるのに、嫌ってるはずがないじゃないか。
『弟と剣(つるぎ)』
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